そうして、日にちを重ねる毎にある思いが浮かんできた。


『私、アイツとの時間楽しみにしてる…』


必死に頭の中の考えを打ち消そうと、別の事で頭をいっぱいにしてみたけど、アイツの顔がチラついて一分と保たなかった。


『いや、そんな事ない!!』


「どんな事?」


『えっ!?』


デカい独り言に近くで返事が来て、驚きのあまり椅子ごと後ろに下がった。


「アハハ、お前最高!!」


何がおもしろいのか、奴は私を見て笑い出した。


『失礼な。』


椅子を戻しながら、聞こえないトーンで呟いた。


「なあ、お前名前は?」


『……。』


「いつまで無視し続けんの?」


『…綾。』


「あ、初めて質問に答えた。」


『そっちは?…』


「水樹。 中村水樹
改めてよろしく!」


目の前に手を差し出され、迷ってると無理矢理手を握りにっこり笑った。


『私、仲良くするつもりはないんだけど…』


「いいよ別に。
あ、綾って呼び捨てにするけど大丈夫?」


『あまり呼ばれたくないけど、いいよ。』


「どっちだよ!!」


また笑うアイツを見て、不覚にも笑ってしまった。