戻って来たとき、アイツはベッド脇で静かに待ってた。


「風邪だと思う。
昨日様子変だったから」


「じゃあ、体温計って」


アイツは体温計を受け取ると、寝てる男子のワキに体温計を挟んだ。
チラッと見えた男子のおでこには、どこから見つけたのか、冷却シートが貼ってあった。
《後日浦田っちに聞いた話だと、授業の殆どを保健室でサボってたアイツに、「暇なら手伝え」と色々手伝わせてたから知ってるんだだろうって言ってた。》
放課後、廊下ですれ違ったアイツはいつもと変わらず、また違う女の子と歩いてた。