夜獣3-Sleeping Land-

「確か、石ではなかったかと」

「だが、硬い事には変わりはない」

「じゃあ、どうすんの?」

僕は、孝二を見る。

「お前が銃で打ち込め」

「ピンポイントで狙うんか」

「でも、それでは結果が同じではないのでしょうか」

「武器を、使えば、いい」

デザイアが呟く。

「デザイア」

渚がデザイアの傍による。

「相場さん」

しかし、デザイアは渚の腕を掴んだ。

「あなたの、情けなんて、いらないんです」

喋る事もままならないはずだが、言葉を放つのは執念か。

「ちょっと待ちなよ。あんた達の話を聞く限りじゃ、王って奴は星をいくつも滅ぼした奴なんでしょ?武器とか、耕一とかの能力だけでいけるのか、考えた上で言ってるわけ?」

「三つの武器を、合わせれば、出来なくは、ないです」

孝二達に渡した物だろう。

「デザイアの言っている事は本当か?」

「私のいた頃よりも技術が進歩しているのであれば、可能ではないかと思います」

武器が組合さなければ嘘だということになる。

しかし、それが何だというのだ。

嘘だった場合、僕が奴を糧にするだけの話だ。

「山女はん、なんで、それを最初に言わんかったんや!」

孝二はデザイアの襟を掴み、力をこめた。

「言ったら、あの二人は死ななかったかもしれへんのに」

僕には関係のない話だ。

「準備をしろ」

「はい」

渚が武器を触ろうとすると、孝二が先に掴む。