夜獣3-Sleeping Land-

上空に飛び上がり、渚とアキラがいる屋根の上に飛び乗る。

「離せ」

相場が僕の腕を振り払う。

「これは酷い話やな」

路上には無数の石の兵が集まっている。

「ちょっと、警察とかはどこにいったのよ!」

アキラがいらだたしく声を上げる。

「王の肉体に銃弾など効かない」

「じゃあ、どうやって倒すわけ?」

僕はデザイアを見る。

デザイアを起こせば、また反旗を翻す事になるだろう。

「僕が奴を糧にする」

僕は強くならなければならない。

王を倒す事は僕にとって吉となる。

「耕一はん、できるんかいな?」

「拳を打ち込むだけだ」

「私は、どうやって倒すか聞いたんだけど?」

アキラは呆れながらに、ため息をついた。

「耕一さん」

渚が心配そうに僕を見上げている。

「奴を殺る事には変わりない」

「でも」

「渚、お前は自分の記憶を探れ」

「え?」

「奴の目はどうだ?奴の口の中はどうだ?」

「それは」

渚はうつむきながら、記憶を探る。