夜獣3-Sleeping Land-

「耕一さん」

「何だ?」

「私が、ここに来なければこんな事には」

「聞く必要がない。そして、二度というな」

「はい」

最後まで聞く必要のない事だ。

確かに、根本にある原因は渚だ。

もし、渚がいないという世界があったとすれば、僕もいないという事になる。

言ったところで無意味だ。

無意味に割く時間などない。

しかし、王などという危険なものを使って、本当に星を支配できるとでも思っているのか?

最悪、デザイアがミスをした場合、地球は潰れる。

デザイア以外に、他の宇宙人は見当たらない。

もし、一人しかいない場合、リスクが高すぎる。

手に入れたい星を馬鹿な真似をして手に入れようとするか?

「渚、お前が地球に来る前に、出された命令は何だ?」

「他星を見つけた場合、友好関係を築けとの事でした」

「侵略ではないという事か?」

「侵略を示唆するような言葉は聞かされていません。命に重きを置いていましたから」

「そうか」

デザイアの単独行動か。

だからといって、対応が変わるわけがない。

最初からデザイアは倒す相手である事には変わらない。

「囲まれてます」

「何?」

周囲を確認すると、孝二の妹に男がいる。

他にも数名いるようだ。

しかし、全てが石の体を得ているようだ。

王の餌になった後に、石の兵にされるというわけか。