夜獣3-Sleeping Land-

よく見ると、片腕が石化している。

「何が起こった?」

「山女はんが裏切ったんや」

「そうか」

「元から、山女はんは王を倒すつもりなんかなかった」

確かに。

王に炎など効きはしない。

王にビームなど効きはしない。

結果的に、三人は見せ掛けだけの武器を渡されていたわけだ。

「山女の目的は何だ?」

「この星を植民地にするつもりや」

「地球上の人間を全て殺すつもりか」

「植民地言うても、奴隷なんか必要あれへん。それに、山女はんは、王を倒す力がある」

「そうか」

疲労を負いながらも、片腕を抑えている。

「俺の妹は、石にされて殺られた。友人は、山女に殺られた。頼めるんは、神崎、あんたしかおらん」

「元より、王は倒すつもりだ」

「耕一さん」

渚は苦虫を潰したような顔をしている。

「渚、お前の星が出した命令らしいな」

「すいません」

「だが、どうでもいい。一人も二人も変わらん」

「このままでは確実に、耕一さんは殺されます」

「殺されないようにすればいい」

相場の方に向く。

「相場、松任谷を呼べ」

「何故、私がお前のいう事を聞かなければならない」

「渚を救いたければ呼べ。死にたければ、そのままでいろ」