「出るぞ」
上着を着用し、王の討伐へ出る準備を行う。
「一人で行くのですか?」
後ろの渚は暗い顔になりながらも、僕に問いかけた。
「お前は奴に勝てないと思っているのだろう?」
「はい」
「僕は乾を殺すまで死ねない。それをお前は理解しているはずだ」
「はい」
「奴等と共闘する」
「耕一さん」
渚の顔色が変わる。
それは安堵したような、不安な色が消えた。
「そんなものは一時的なものだ。終われば奴等を潰す」
「すいません。私に力があれば、あなたが戦いに集中できるんですが」
「謝る暇があったら、奴を倒す方法を考えろ」
「神崎、貴様」
僕に近づこうとすると、渚が僕の前に出た。
「相場さん、私は耕一さんが少しでも考えを変えてくれた事が、嬉しいんです」
渚は相場を宥める。
「渚がこの男によくする理由は分かる。でも、渚には何の落ち度もない。全てが不当な扱いだ。そんな事は許せない」
「ありがとうございます。相場さんのお気持ちも、凄く、嬉しいです」
頭を下げた渚に、相場は何も言えなくなった。
変わりに僕を睨みつける。
気にも留めず、僕は扉を開ける。
そこには、奴等の仲間の孝二という男が立っている。
その目には、どこか苛立ちと苦しみが混ざっている。
「神崎、頼む。力を、貸してくれ」
そして、今まで以上に、低い姿勢で僕に協力を頼んできた。
上着を着用し、王の討伐へ出る準備を行う。
「一人で行くのですか?」
後ろの渚は暗い顔になりながらも、僕に問いかけた。
「お前は奴に勝てないと思っているのだろう?」
「はい」
「僕は乾を殺すまで死ねない。それをお前は理解しているはずだ」
「はい」
「奴等と共闘する」
「耕一さん」
渚の顔色が変わる。
それは安堵したような、不安な色が消えた。
「そんなものは一時的なものだ。終われば奴等を潰す」
「すいません。私に力があれば、あなたが戦いに集中できるんですが」
「謝る暇があったら、奴を倒す方法を考えろ」
「神崎、貴様」
僕に近づこうとすると、渚が僕の前に出た。
「相場さん、私は耕一さんが少しでも考えを変えてくれた事が、嬉しいんです」
渚は相場を宥める。
「渚がこの男によくする理由は分かる。でも、渚には何の落ち度もない。全てが不当な扱いだ。そんな事は許せない」
「ありがとうございます。相場さんのお気持ちも、凄く、嬉しいです」
頭を下げた渚に、相場は何も言えなくなった。
変わりに僕を睨みつける。
気にも留めず、僕は扉を開ける。
そこには、奴等の仲間の孝二という男が立っている。
その目には、どこか苛立ちと苦しみが混ざっている。
「神崎、頼む。力を、貸してくれ」
そして、今まで以上に、低い姿勢で僕に協力を頼んできた。

