「今になって近づいたのは何故だ?」

「彼等が私を見つけたのは偶然かと思います」

「偶然?」

「この街に来なければ、多分」

「そうか。まあ、いい。次は仕留める」

「闘うのですか?」

「お前と奴との因縁は過去の事だ。お前が因縁に縛られようが拳は曇らせまい。能力者であるならば僕の敵だ。叩き潰す」

「でも、今までとは少し違う感じがするんです」

「武器を持っていようが精神系でなければ、問題はない。肉体一つ在れば、何とかなる」

「そうですか」

俯き加減で、何かを考えている。

「もう、寝ろ。明日は僕に付き合ってもらう」

「はい」

しかし、渚は動こうとはしない。

「あの、布団は一つだけですか?」

「それで寝ろ」

「耕一さんは?」

「何もなしでも寝られる」

「駄目です」

「寝ろ」

「嫌です、耕一さんがそこで寝るというのでしたら、私は布団などいりません」

「面倒な奴だ」

「それでもいいです。耕一さんが闘うのであれば、せめて、万全の体調でいてもらいたいんです」

「なら、どうしろという?」

「一緒に寝ましょう。風邪を引くことありませんし、温かくていいです」

「いいだろう」

長々と時間を過ごすつもりはない。

僕たちは、同じ布団で寝ることとなった。