「これは」

よく見ると、レイプがあった日と屋上から飛び降りてニュースになった日の日付が同じだ。

松任谷が能力者だという事が色濃くなっていく。

飛び降りを行ったのがレイプ犯であるならば、つじつまが合わないでもない。

今のところ、確固たる証拠はない。

資料を、棚の上に置く。

「よくやった」

「はい」

渚は笑顔になって答える。

「それで、耕一さん」

「何だ?」

「今から、お願いしていいですか?」

「ああ」

渚は服を脱ぎ、いつも通り僕に近づいてくる。

そして、密着すると同時にナイフで僕を刺そうとする。

僕はナイフの刃を出来るだけ強い握力で握り締めた。

「耕一さん、愛してます」

今の渚の目に光が灯っておらず、いつもと違う。

「そうか」

渚が両手を後ろに隠していたという事で怪しさを感じ、警戒していたのが吉と出た。

「催眠か」

いつかかった?

松任谷といつ接触した?