「はい」

「今から聞く事に嘘は付くな」

「はい」

「あの男は?」

「彼は、甘粕史郎の事件に関してモミ消しを知った人物です」

僕は甘粕を殺した。

何かしらの刑罰は食らう。

そこで時間のロスは免れない。

「交換条件に、お前の身体を欲したという事か」

「ええ」

「いつからだ」

「三ヶ月前からです」

僕が寝ている間か。

「私が勝手にやっている事ですから、耕一さんはお気になさらずに」

僕は、渚の下に歩いていき、胸倉を掴んだ。

「協力者としてはお前は最高だ。誰よりもな」

紅目になり、睨みつける。

「だが、釣り合いが取れてない。僕を、舐めているのか?」

「耕一さん」

「僕がお前に何の対価を払った!?お前が自分を犠牲にする程の事を、僕はやっていない!」

渚は俯き、黙ったままだ。

「尻拭いなどせずに、警察に突き出せ。復讐は時間が経ってからでも出来る」

苦しそうな表情を見せる渚を解放した。

「出来ません」

「何?」

「私はあなたの傍にいたいから、そんな事、したくありません」