夜獣3-Sleeping Land-

黒光りする直径十メートル程ある二つの羽が生えた飛行物の入り口から中へと乗り込む。

僕が入ると扉が閉まり、光がついた。

真ん中に座る椅子以外は何もない。

何かを操作するボードのようなものも、食物を保管する場所も。

僕は椅子に座ると、前にモニターが現れる。

そこにいたのは、地球の服とは異なる紅い全身を覆う服を着ている渚だった。

渚の周りは無機質な鉄に囲まれている一室のようだ。

「耕一さん、見つけてしまったんですね」

悲しみを湛えた顔を見せる。

「お前は見つけることを知っていた」

見つけて欲しくなければ、これを残していかない。

「本当は見つけて欲しくありませんでした」

「関係ない。今からお前の元に向かう」

「耕一さん、私は、あなたのやるべき事をして欲しいと言いましたよね」

別れ際に発した台詞だ。

「やるべき事をするために、お前を傍に置く必要がある。お前が何と言おうが、いう事を聞くつもりはない」

「今回ばかりは、あなたは死んでしまいます」

「黙れ、奴を殺すまでは、死なない」

「耕一さん、らしいですね」

「お前は宇宙船が壊れているなどという嘘をついた。今の台詞も嘘だという事だ」

「すいません」

頭を下げるが、今はどうでもいい。

「機能が働いている以上はこの宇宙船は動くんだろう?」

「はい」

「どう動かす?」

「目の前にあるコントロールパネルの赤いボタンを押すだけで、星へ向かいます」

椅子の前にコントロールパネルが現れる。