夜獣3-Sleeping Land-

最初から僕を誘うかのように、鍵はかけられていない。

扉を開けると、地下へと続く階段が現れた。

段々と近くなる気配。

地下に続くという道なのに、埃くさくはない。

いつも手入れがされているかのような、こぎれいさがある。

階段を下りていくと日の光の届かない世界へ降り立つ。

広い空間。

真ん中には飛行機のような大きな物体があり、それを取り囲む機器の数々。

「ずっと傍にあったのに気づかなかったとはな」

機器は動いているようで、飛行物のようなものを維持しているように見える。

維持しているという事は、生きているという事だ。

ならば、渚はまた嘘をついていた事になる。

何故、そんな嘘をついたのか。

自分の星に帰れるのにもかかわらずだ。

「それは一度だけしか使えない」

階段から相場が降りてくる。

「渚が、もしもの時のために残しておいた」

松任谷の治療を終わらせたのだろう。

「邪魔をするなら」

「お前がこの星から去るのは、誰もが望む事だ」

もしもというのは自分の時のために置いといたのではない。

自分の時のためなら、すぐにでも星に帰る。

だが、迷っていたからこそ、帰らなかったという考えにいたる。

もしかすると、星に帰れば、二度と地球という星にこれなくなるからなのかもしれない。

「ふん、そんな決まりは僕には関係ない話だ」