夜獣3-Sleeping Land-

遠距離型の空気爆弾を放つ。

空気爆弾に人格など伴っていない以上は、松任谷の能力に効果は適用されない。

松任谷は桜子と相場の二人を押しのけた。

「やはり、殺しておくべきでした」

言葉を呟いた後、松任谷は空気爆弾に巻き込まれ後方へ吹っ飛んだ。

意志の揺らぎで催眠効果が薄れ、一度気を失えば催眠は解けてしまうようだ。

桜子は吹っ飛んだ松任谷のほうを眺めた後、僕に視点を移した。

「何であの状況で真理を」

「相手に殺す意志があるのなら、どんな状況だろうと力の使用を躊躇わない」

歯軋りを立て、桜子は松任谷の下へ走る。

「お前は、本当にクズだ」

相場も松任谷の下へ、治療するために走った。

僕は背中を向けて目的のある場所へと向かう。

それは、雪坂の邸宅に続いていた。

扉の向こう側にそれは存在している。

扉は閉まっている。

「関係ない」

拳で空気爆弾を放ち、扉を打ち壊す。

人気のない廊下が姿を現し、僕はその中を歩いていく。

そして、それの感覚を間近にした時にたどり着いた場所は渚の部屋だった。

意識を集中させると、渚に近い何かを感じるのだ。

いつもは渚の存在によってかき消されていたが、今ははっきりと渚に近い別の物の気配を感じ取れる。

渚の部屋に鍵は仕舞っていない。

高い引きずる音を立てて、扉を開く。

着たばかりなので外見には代わりはない。

しかし、今ではこの部屋に違和感を感じずにはいられない。

僕は強いていたカーペットをめくり取る。

地下室へと通じる扉がそこにはあった。