夜獣3-Sleeping Land-

目を見開いた瞬間に、僕はその場から飛びのいた。

「遅いですよ」

僕の足は動かなくなる。

紅目を見た瞬間に、すでに能力を使用していたのか。

だが、能力を使用する際には、血を飲まさなければならないはずだ。

いや、あれはあくまで催眠を強制的に排除するやり方であっただけで、本気を出せば眼力だけで相手の体を操作できる能力なのかもしれない。

「あなたは、桜子をどれだけ傷つけても反省しません」

自分の右腕が勝手に動く。

首に徐々に近づいていく。

抵抗しようが、関係ないようだ。

「苦しみの中で絶えなさい」

「邪魔を、するなといったはずだ」

右腕が動かなければ左手がある。

指はまだ動くようだ。

僕もすでに紅目に覚醒している。

空気の道はすでに見えていた。

「あなたが何をするかなど、分かりきってるんですよ」

左の指さえ動かなくなる。

右手の指が喉元を掴んだ。

徐々、力が注がれ食い込んでいく。

「ぐ」

息がつまり、言葉さえ吐き出すことも出来ない。

動く事さえままならない。

「死になさい」

松任谷の肩を掴む女がいた。

「やめるんだ」

松任谷の傍には相場が立っている。

相場がここにいてもおかしくはない。

何故なら、ここは渚の家の近くだ。