僕は、病院の前で足を止める。
「ご機嫌はどうだい?」
そこに立っている。
あの男が。
全てを、壊した、男だ。
「随分と尖ったじゃないか」
黒いスーツを着込み、笑顔を見せる。
僕の腕の中で瀕死状態の桜子がいるのにも関わらずだ。
自分の体が震えているのが分かる。
それは恐怖ではない。
いつ、前に飛び出してもおかしくない衝動を抑えているせいだ。
「さあ、俺に抱いている恨みを解放したらどうだ?」
鎖につながれている獣が、鎖を引きちぎろうとしている。
「佐伯夕子の事を、忘れたのか?」
全てが挑発だ。
すぐにでも、病院に行かなければならない。
自分の選択のせいで、夕子と同じ境遇をたどらせるのか。
僕は、獣を、押さえつける。
「今は、お前に構っている暇はない」
僕は足を進める。
「選択の取捨をお前は間違えているよ」
乾がなんと言おうとも、それを無視し続ける。
「お前は自分の可能性を捨てた。後悔するんだな」
乾は姿を消した。
仇をとることが全てだったはずだ。
しかし、僕は、その心を、解放する事が出来なかった。
僕にとって、それだけが生きがいだった。
だけど、それは叶わなかった。
僕は病院の自動ドアをくぐる。
「ご機嫌はどうだい?」
そこに立っている。
あの男が。
全てを、壊した、男だ。
「随分と尖ったじゃないか」
黒いスーツを着込み、笑顔を見せる。
僕の腕の中で瀕死状態の桜子がいるのにも関わらずだ。
自分の体が震えているのが分かる。
それは恐怖ではない。
いつ、前に飛び出してもおかしくない衝動を抑えているせいだ。
「さあ、俺に抱いている恨みを解放したらどうだ?」
鎖につながれている獣が、鎖を引きちぎろうとしている。
「佐伯夕子の事を、忘れたのか?」
全てが挑発だ。
すぐにでも、病院に行かなければならない。
自分の選択のせいで、夕子と同じ境遇をたどらせるのか。
僕は、獣を、押さえつける。
「今は、お前に構っている暇はない」
僕は足を進める。
「選択の取捨をお前は間違えているよ」
乾がなんと言おうとも、それを無視し続ける。
「お前は自分の可能性を捨てた。後悔するんだな」
乾は姿を消した。
仇をとることが全てだったはずだ。
しかし、僕は、その心を、解放する事が出来なかった。
僕にとって、それだけが生きがいだった。
だけど、それは叶わなかった。
僕は病院の自動ドアをくぐる。

