ふいに背後から聞こえた声。 聞いたことのある関西弁の太い声だった。 まるで人が泣いているのを楽しむかのような声だった。 慌てて涙をふき、顔をあげる。 「泣いてませ……あぁ!!」 この人… あの入学式の日に会った人…チョコレートの…! 「なんや君…どっかで見たことあるな…」 「あの……」 「あっ!思い出したわ!あの人のチョコレートを物欲しそうに見てたコやん!」