卒業式を終えてから、
大好きな彼に呼び出された。
「まさか……」って
期待に勝手に胸弾ませて。
でも君の口から出てきたのは
衝撃的な事実だったんだ。
「引っ越すことになったんだ。」
………え?
驚きで声が出なくて、
ただ目を丸くするだけだった私。
あんなに いつも一緒だったのに、そんなの聞いてないよ…。
「どうして そんな大事なこと言ってくれなかったの!?」
私たちに隠し事なんてナシだった。
「だって……悲しいから。」
彼は 顔を歪めた。
「隠し事しててごめんね…。」彼は、泣きじゃくる私の頭を撫でながら 謝った。
そして。
「……もう一つ、隠してたことがあるんだけど…。」
今度は何、と泣き止む私。
恥ずかしそうに
目を逸らして、彼は言ったんだ。
「僕…ホントはね……。」
一瞬、目が合って。

