「そういえば、会長とこうして
二人っきりになるのって、初めてだね」
…あぁ。そうかもね。
あたしずっと逃げてたからね。
「会長は、俺の名前、知ってますか?」
「白崎流騎」
「覚えててくれたんだ。嬉しいな」
…あ、っそ。
覚えたくなくても、
あんたの名前は覚えちゃうんだよ。
別に、最初から、ヤな奴とか、
思ってた訳じゃないよ?
そこまであたし、理不尽じゃないし。
ただ、いろんな女子から
キャーキャー言われて、
それを応えてにこにこして笑ってるのが、
気に食わないだけ。
誰にも優しい人は、
…あまり得意ではない。



