野萩咲人は眉間にシワを寄せながら、腕を組んだ。
「えっ、じゃぁなんて「咲人様って呼べ咲人様って」
………はっ?
「調子に乗るなバカ」
要君はそう言って自分の席へ行った。
「名前で呼んでよ。ね?」
白崎流騎は優しく微笑みながらあたしに言う。
「……分かった」
流騎…。
な、なんか、変な感じだな。
「会長、今日さ、僕部活ないから、一緒に帰ろ?」
葵君はあたしの隣に来て、顔を覗きこんできた。
「えっ、でっでも、今日は書類を整理しなきゃいけないから……」
ていうか、小学生じゃないんだから一人で帰りなよ…。
「じゃ僕会長の用事が終わる待ってるから、ねっ?」



