バケルト

「千夏さんですか、日向です。こちらこそよろしくお願いします」と千夏にも微笑んだ

放課後

「ねぇ、キシノちゃんお願いがあるんだけど良いかなぁ」と千夏が日向を見る

「ふぅ、一応聞くけど何」とキシノがだるそうに聞いた

「あのねぇ、帰り日向君を誘って帰ろうよ」と千夏がキシノにだけ聞こえるぐらい小さい声で言う

「はぁ、なんで」とキシノがため息を一つこぼして言う

「だ、だって日向君きっと一人で帰るよ。かわいそうじゃん」とすがるような目付きでキシノに近寄る

「はぁ、わかった。わかったから離れろ」と言って教科書をカバンに詰め込んだ

「さぁ、帰るぞぉ」

千夏は動こうとしない「お願い。キシノちゃん」

「ハア……」

「あのさぁ、一緒に帰らないか」とキシノが頭を掻きながら日向に近寄った

「いいんですか?」と日向