「要ちゃんを是非僕たちの子に。」 勝也の言葉に南さんは茫然となった。 悩まされた。 親から捨てられた要。 どう考えても人が好きになったわけではない。 そんな中、要を引き取らせて良いのか。 賭けだ。 南さんは思い切って要に聞いてみた。 「神田さん家で暮らす?」 「暮らす。」 要の眼は輝いていた。 澄んだ大きな瞳で南さんを見つめ頷いた。