「何? こんなところに呼び出して」 私は単刀直入に聞いた。 男は言いにくそうにしていた。 もう少しで言わないなら帰ると言おうとした所で男は用件を言った。 「……実は、瑠璃の他に好きな奴が出来た。別れて欲しい」 そう言われ、私はちょうどいいかと思っていた。 この男も私の溝を埋められなかったから。 それにこの頃、私のことを見ていなかったことも知っていた。 やはり、溝を埋められなくとも私のことを見ていて欲しい。 だから、私は 「いいよ。じゃあね」 そう言って別れた。