ルイスの側まで行くとルイスは私を抱き寄せた。
そして、私はルイスに抱きしめられながら麻衣に向かって言った。
「じゃあ、話しましょうか?」
「……その人は、誰なの……?」
「彼はルイスって言うの。これから彼と彼の国で暮らすの。私はこの世界から解放されるのよ。―――だから、この世界の事はもうどうでもいいの―――分かった?」
「彼の国? この世界? 瑠璃は外国へ行くのではないの……?」
「彼に国はこの世界には無いの。だから、私はもうこの世界から居なくなるのよ」
そして、私はルイスを見上げて言った。
「ねえ、ルイス」
「ああ、そうだよ。じゃあ、話も終わったみたいだし行こうか?」
「そうね。……そういうことだから、じゃあね、麻衣。さよなら」
こうして瑠璃は夢の国へ旅立ち、残された者は涙を流した。
=FIN.=


