短編:誘い(いざない)【完結】


 そして、放課後になって麻衣が家に来た。


「瑠璃、あのね、昨日の事なんだけど……」


 麻衣は言い難そうにして、うつむいていた。

 そんな麻衣に対し、私はもはや何も思わなくなっていた。


「何? 言い訳? もう、どうでもいいわ」


 私はクスクスッと笑いながら言った。


「えっ?」


 私の反応が意外であったので麻衣は呆気にとられていた。


「ふふふふ。聞こえなかった? ……いえ、聞こえたわよね? 何故って顔してるもの」


 私は笑いが止まらないかのように笑い続けた。