短編:誘い(いざない)【完結】


「瑠璃……大丈夫かい?」

「ルイス!!」


 私はルイスに抱きつき泣いた。

 そんな私に何も言わずに髪をなでていてくれた。




 そのおかげでだいぶ落ち着いた頃ルイスは優しく囁く様に言った。


「落ち着いたかい? 今日は行けそうも無いみたいだから、連れては行かない。けれど……明日の夜から瑠璃はずっと向こうの世界に居ることができるよ。準備しておいてね」


 それから、朝になるまでルイスは私の側に居てくれた。

 朝になって向こうの世界へと帰っていった。




 私は学校へは行かずに家に居た。

 今日は行く気にはなれず、休んだのだ。