「嬉しいな……迎えに来てくれてありがとう。あと、もうひとつなんだけど……」
小さい声だったが、ルイスには聞こえたようだった。
「そうだよ。瑠璃の言いたい事はわかってるよ。この姿の事だろう?」
「うん。何でなの? ウサギの姿してたのに……」
「こっちが僕の本当の姿でウサギは仮の姿。ウサギの姿の方が瑠璃に信じてもらいやすいし、この姿で"迎えに来た"って言ったって怪しむでしょ? だからウサギの姿になって行ったんだ。それと、さっき耳の話した時に耳は本物でもあるし偽物でもあるって言ったの覚えてる? 偽物って言ったのはこっちの姿が本当の姿だから」
「じゃあ、本物って言ったのは?」
「それはね、ウサギの姿は仮の姿だけど、ウサギになっている時は本当にウサギになってるからその時は本物なんだ」
「そうなんだ……」
私はそれ以上何も言えなかった。
突然やってきたこの展開に、まだ、実感がわかなかったのだ。


