「儀式も大丈夫と言える?」
「えっ…………」

私は答えることができなかった。


儀式………近いのキスなんて、ヴァンパイアにとってバカらしいのかしら……


「ごめんね……優美………そんなに拒否されるとは、思ってなかった」

薫は悲しい顔をした。こんな人でも顔を崩したりする。


「私も……ごめんなさい。人間とヴァンパイアは結婚式の内容が違うとは思ってなかったの……」

薫は首をかしげた。


「人間は儀式をしないのか?」
「うん……人間は愛する人と神に誓いのキスをするの………永遠に愛す――ってね!!」
「神なんてろくなもんじゃないぞ」
「え!?そうなの?」
「あぁ、サボってばっかだ………いつもヴァンパイア任せなんだ……はぁ……何だか疲れが溜まってきた…………」