「…………」
沈黙が流れた。
「……桜、君は優美の過去を見ることが出来なかったね」
桜という人は悔しい顔をして私を睨む。
「……優美………優美の過去を見ることが出来ないのは桜が優美より強いからだ」
「わ、私が?……人間とヴァンパイアなのに?……」
薫はニッコリ笑う。
何もかも分かっていたかのようにの………
優しく………笑う
「桜……君は優美より弱いんだよ。僕の隣に座る価値がない」
「っ……?!………薫……後悔してもしらないから…………」
後悔………?
「いいから早くドケ」
低く太い声で桜という人に言った。
「っ………人間、貴女は騙されてるんじゃないの?………おっと……それでは、きっと後悔が来る日を楽しみにしてます」
車に乗り、また危ない運転をして去っていった。


