お兄様…… 「優美、思い出したかい?」 「………はい………お母様とお父様は――――っ……」 薫お兄様は私の頭を撫でた。 「いいよ……ゆっくり、ゆっくり、思い出して?」 私は瞳を閉じた。 あの後………傷だらけの、お母様とお父様がきた…………… 私の事、血だらけになりながら……… だけど――― もう、私の記憶はなかった。 だけど、お母様とお父様は私を優しい笑顔で抱き締めてくれた………