季節は息が白く煙る冬。




ひとみはマンションの前にタクシーを呼びだし仕事に行く準備をしていた。




『よっし、髪の毛OK!メイクバッチシ!グロスもつやってるしいい感じかなっ』



無造作に置いてある置き鏡の前でニンマリと笑顔を作ってみせた。




フワフワのファーのジャケットを惑いドレスと異様に高いヒールのサンダルをショップ袋に入れて、ブランド物のバックを肩に掛けて部屋をでた。




そうひとみはいわゆる今時のキャバクラ嬢だったのだ。地下二階にあるお店はひとみの家からタクシーで五分ほどかかる場所にあったのだ。




ひとみはそのお店の寮に入りその店に勤めていた。




そして、キャバ嬢歴三年。ひとみは見るからに出来たてほやほやの水商売風味丸出しになった派手なキャバ嬢だったのだ。




そんなひとみの働く店は都心ではあるが少しマイナーな中くらいの人気キャバクラブだった。




いわゆる二流キャバ嬢。