瑠璃は記憶がなくなっている。

「おい!瑠璃!」


初めて名前で呼んだ。
だけど目を覚まさない。

俺もこんな事あった。
数年前、車に引かれそうになって意識がなくなった。


瑠璃が目を覚ます。

「家?」



「やっと目が覚めたか。大丈夫?」



「私…死んでないの?」



「死んでないよ」



「でもさっき…」

俺が助けたんだよ。

「よくわかんないけど、私助かったんだ。」
「うん」


瑠璃がガバッと起き上がる。



「もう大丈夫なのか?」

「大丈夫。平気」


「じゃあ俺は帰る」