そのまた10分後――。 「…………」 「…………」 「…………」 もう無言だった。 ふらふらと体育館に戻ろうとした時、 「あれー?」 聞き覚えのある声がした。 俺はすばやく反応した。 「翠ちゃん!?」 陽は 「そんなわけないだろ?テニスコートあっちだし」と言う。 うん。まぁそうだけど、確かに聞こえたんだけどなぁ。