「アチィ。」そりゃあ夏ってのは暑いもんだけどさぁ、手加減ってもんがないんかね。 まぁもうすぐ九月だ、この暑さから開放される日も近いだろう………。だからって暑くなくなる訳でもなく。
「アチィ。」俺はもう一度そう呟いた。


しっかしなぁ、前途ある若者が夏休み中部屋でゴロ寝とは、いささか気が引けるな。やっぱ中学校生活最後の夏休みと来たらさぁ。仲間とバンドをやって盛り上がるとかさぁ 彼女でも作って、ロマンチックに盛り上がるとかさぁ。
………いや、夏って言う物はつくづく盛り上がるのが好きな様だ。
「ったく、ただでさえ暑いってのに………」
俺は寝返りを打って寝込もうとしたが、あまりの暑さに寝れない事に気が付いた。