青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

「……………」

 何かを考えているのか、悩んでいるのか、いつもと変わらない無表情無感動の様子からは、ジョーやセレビアからは予想がつかない。

「……あなたは、知ってたのかしら?」

 興味本位でセレビアが尋ねると、レンカの小さく動いた。

「もちろんです」

 当然です、と言わんばかりの事務的な口調だった。

「じゃあ、知っててなお……」

「えぇ」

 それ以上は何も答えないとばかりに、レンカは再び目を伏せた。

 組織管轄下の医療施設へ向かうドクターヘリのプロペラ音が沈黙の会話の中に流れてくる。

「……はぁ、ホント、むかつくわね」

 セレビアは深く溜息をつきながら、自分の腕に刺さっている点滴張りを抜いた。側にいた医師や看護師が一斉に血相を変える。

「せ、セレビアさん?」

 ジョーも驚くが、セレビアは構わず次々に自分に取り付けられた心電図などの医療機材を取っ払っていく。そのあまりの手際の良さに医師たちは困惑と同時に唖然としてしまった。

「なんのつもりです?」

 強い口調でレンカが訊いた頃には、セレビアはすでにベッドに座った状態で悠然と微笑んでいた。腹の傷も密かにかけていた自然治癒力を高める魔法で塞がっている。

「別にぃ~。ただ、ちょっと元気になってきたからそろそろここ降りようかな~って思ってね。あ、ヒーローくん、私の帽子、返してくれる?」

「はい、どうぞ」

 セレビアに言われてジョーは素直に手に持っていたセレビアのトンガリハットを差し出した。ここで初めて、レンカの眉間に微かにしわが寄る。