灰山の心中を悟ってか、クヲンが引き続き話をした。
「その治療法を見つけたのが……幸か不幸か、そこにいるお方だよ」
哀れむようにクヲンはルミネに目配せした。
「そいつは本来、学者なんだ。主に新しい薬なんかを研究、開発している。生まれてきた娘が眠りっぱなしの状態と分かってからは、特にそれを回復させるための研究に没頭していた。その成果が実ったのが数年前だ。まだ実験段階の新薬だったが、それの投入で、僅かだが娘に回復の兆しが見えた。けど……」
「それでも、完全覚醒する可能性は僅か二パーセントにも満たないと専属の医師から言われてしまった。もっと時間を掛けて、もっと実験を繰り返した薬ならば可能性は上がったかもしれない。しかし、それには何十年と言う時間が必要だ……!」
突然、クヲンから話を引き継いだのはルミネだった。誰もが、彼の言動に注目する。
「私にはそこまで待てなかった。例え何十年掛けて完璧な薬が完成したとしても、それまでにあの子が生きていられるのか……それを考えた時、私は絶望してしまった」
実験段階だった薬を使ったのもその焦りからだろう。空兎には難しいことは分からなかったが、「多分、それは凄くヤバイことなんだろう」ということは、なんとなく察していた。
ルミネは、伏せていた目を開け、徐にマリィへと視線を送る。
「だから、私は彼女を…悪魔の能力を利用することを思いつき、あえて娘を不幸にし、僅かだった目覚める可能性をゼロすることで、“奇跡の条件”を満たした。その方が確実。……二パーセントなどではなく、百パーセント確実に、娘を目覚めさせることができる」
ルミネの本当の企みを知って空兎は、ごくっと喉を鳴らした。
「その治療法を見つけたのが……幸か不幸か、そこにいるお方だよ」
哀れむようにクヲンはルミネに目配せした。
「そいつは本来、学者なんだ。主に新しい薬なんかを研究、開発している。生まれてきた娘が眠りっぱなしの状態と分かってからは、特にそれを回復させるための研究に没頭していた。その成果が実ったのが数年前だ。まだ実験段階の新薬だったが、それの投入で、僅かだが娘に回復の兆しが見えた。けど……」
「それでも、完全覚醒する可能性は僅か二パーセントにも満たないと専属の医師から言われてしまった。もっと時間を掛けて、もっと実験を繰り返した薬ならば可能性は上がったかもしれない。しかし、それには何十年と言う時間が必要だ……!」
突然、クヲンから話を引き継いだのはルミネだった。誰もが、彼の言動に注目する。
「私にはそこまで待てなかった。例え何十年掛けて完璧な薬が完成したとしても、それまでにあの子が生きていられるのか……それを考えた時、私は絶望してしまった」
実験段階だった薬を使ったのもその焦りからだろう。空兎には難しいことは分からなかったが、「多分、それは凄くヤバイことなんだろう」ということは、なんとなく察していた。
ルミネは、伏せていた目を開け、徐にマリィへと視線を送る。
「だから、私は彼女を…悪魔の能力を利用することを思いつき、あえて娘を不幸にし、僅かだった目覚める可能性をゼロすることで、“奇跡の条件”を満たした。その方が確実。……二パーセントなどではなく、百パーセント確実に、娘を目覚めさせることができる」
ルミネの本当の企みを知って空兎は、ごくっと喉を鳴らした。



