青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

「俺は、マリィを人間にしてやりたかった。もう、誰にも利用されないためにな」

 場が落ち着きだした頃、クヲンが本心を話し始めた。「え?」とマリィがクヲンの顔を見るが、何も言わず彼の次の言葉を待っている。

「おかしいと思ったんだ……悪魔とはいえ、あんた達の組織は並じゃない。当然、セキュリティに関してもな。そして、あのコがいる場所となると相当な厳重なものがかけられている」

「当然だ」

「はずだった」

 灰山の顔が驚きに変わって、クヲンへ向く。対してクヲンは正面の湖の水面を見つめながら続けた。

「マリィ……お前があの日、眠っている女の子の部屋に入ったとき、ドアにロックとか掛かっていたか? それか警備員とかいたか?」

 クヲンの質問に、マリィはあの日のこと、自分が一人の少女を不幸にした日の記憶を探る。

「まさか……」

 灰山の胸に一つの疑心が沸いた。

 そして、マリィの口から話された証言とクヲンの真実で、その疑心が確信へと変わる。


§


 そして、時が戻る。


 灰山の銃弾に右の太ももを撃ち抜かれたルミネが膝をついた。

「な、なんでさっ!?」

 空兎が灰山に向かって吼えた。銃口はルミネに向けたまま、灰山は怪訝な顔となる。

「なにキレてんだ? そいつはお前にとって敵の親玉だぜ?」

「あんたにとっては仲間じゃん! なんで撃ったの!?」

「それはな…!」

 灰山が何かを言う前に、別の声が彼の後ろから飛んでくる。

「そいつが始まりだからだよ……この争奪戦のな」

 それは、マリィに支えられながら歩いてきたクヲンだった。