「俺は、マリィを人間にしてやりたかった。もう、誰にも利用されないためにな」
場が落ち着きだした頃、クヲンが本心を話し始めた。「え?」とマリィがクヲンの顔を見るが、何も言わず彼の次の言葉を待っている。
「おかしいと思ったんだ……悪魔とはいえ、あんた達の組織は並じゃない。当然、セキュリティに関してもな。そして、あのコがいる場所となると相当な厳重なものがかけられている」
「当然だ」
「はずだった」
灰山の顔が驚きに変わって、クヲンへ向く。対してクヲンは正面の湖の水面を見つめながら続けた。
「マリィ……お前があの日、眠っている女の子の部屋に入ったとき、ドアにロックとか掛かっていたか? それか警備員とかいたか?」
クヲンの質問に、マリィはあの日のこと、自分が一人の少女を不幸にした日の記憶を探る。
「まさか……」
灰山の胸に一つの疑心が沸いた。
そして、マリィの口から話された証言とクヲンの真実で、その疑心が確信へと変わる。
§
そして、時が戻る。
灰山の銃弾に右の太ももを撃ち抜かれたルミネが膝をついた。
「な、なんでさっ!?」
空兎が灰山に向かって吼えた。銃口はルミネに向けたまま、灰山は怪訝な顔となる。
「なにキレてんだ? そいつはお前にとって敵の親玉だぜ?」
「あんたにとっては仲間じゃん! なんで撃ったの!?」
「それはな…!」
灰山が何かを言う前に、別の声が彼の後ろから飛んでくる。
「そいつが始まりだからだよ……この争奪戦のな」
それは、マリィに支えられながら歩いてきたクヲンだった。
場が落ち着きだした頃、クヲンが本心を話し始めた。「え?」とマリィがクヲンの顔を見るが、何も言わず彼の次の言葉を待っている。
「おかしいと思ったんだ……悪魔とはいえ、あんた達の組織は並じゃない。当然、セキュリティに関してもな。そして、あのコがいる場所となると相当な厳重なものがかけられている」
「当然だ」
「はずだった」
灰山の顔が驚きに変わって、クヲンへ向く。対してクヲンは正面の湖の水面を見つめながら続けた。
「マリィ……お前があの日、眠っている女の子の部屋に入ったとき、ドアにロックとか掛かっていたか? それか警備員とかいたか?」
クヲンの質問に、マリィはあの日のこと、自分が一人の少女を不幸にした日の記憶を探る。
「まさか……」
灰山の胸に一つの疑心が沸いた。
そして、マリィの口から話された証言とクヲンの真実で、その疑心が確信へと変わる。
§
そして、時が戻る。
灰山の銃弾に右の太ももを撃ち抜かれたルミネが膝をついた。
「な、なんでさっ!?」
空兎が灰山に向かって吼えた。銃口はルミネに向けたまま、灰山は怪訝な顔となる。
「なにキレてんだ? そいつはお前にとって敵の親玉だぜ?」
「あんたにとっては仲間じゃん! なんで撃ったの!?」
「それはな…!」
灰山が何かを言う前に、別の声が彼の後ろから飛んでくる。
「そいつが始まりだからだよ……この争奪戦のな」
それは、マリィに支えられながら歩いてきたクヲンだった。



