仙太の告白に、空兎の表情は一転。
口を「ほーへー」と動かした後、ニヤニヤしながら、仙太の背中をバンバンと叩く。

「大丈夫、せっちん! 雷におヘソがとられるなんて迷信だよ!」

「いや、僕が恐いのは、そこじゃないから・・・・・・」

 弱々しく返すと、空がまた鳴り響き、仙太の背筋が反射的にビクッとなる。

「なんで晴れてるのに雷が鳴るんだよ・・・・・・」

 仙太はウンザリした声を弱音を吐くと、直後、また落雷。
数秒遅れて轟く音に耳を塞ぐ。その様に、本当に苦手なのが伺える。

 だが、空兎が見ているのは、そんな仙太ではなく、落雷の方だった。

「また同じところに落ちた・・・・・・」

 それに気付いた時、空兎の中で沸々と探求心が湧いてきた。
自然と足が落雷の方へと駆け出す。

「お、おい、空兎?」

 学校とは筋違いな方向へと走り出した空兎に、仙太は驚くも、雷の恐怖にすぐには動けない。
 空兎は首だけ振り返り、仙太に叫んだ。

「ちょっと見てくるね!」

「が、学校どうするんだよ!?」

「だ〜いじょうぶ! バビュン! と行って、バビュン! と帰ってくるからぁ! せっちん、先に行ってていいよ~~!」

 語尾の方になると、空兎の姿は仙太の視界から完全に消えていった。
 天気は快晴なのに、仙太の心は、これから雷雨が降りそうな黒い雲がモヤモヤとかかってきた。

 これからの不吉を予感させるように・・・・・・・・・