「お前、俺を殺す気か!?」
「クヲンさんならこれくらい大丈夫です。自分を信じてください」
「どういう理屈だよ、それは……」
相変わらず独特な世界観を持っているマリィに、クヲンは肩を落とす。それから溜息を一つ漏らすと、「変わらないな」と呟く。
「クヲンさんもですね」
そうマリィが返してきたことに、クヲンは驚いた。
「俺も?」
思わず聞き返すクヲンにマリィはにっこりと頷いた。
「私のせいで翼の色は変わっちゃいましたけど、クヲンさん自身は全然変わってませんよ」
「………」
マリィの言葉が重く、クヲンの胸に響いた。
だが、クヲンはそれを否定しなければならない。
「俺はな、変わらなきゃならないんだよ……」
嘆くように言い、悲しい瞳でマリィを見つめる。
そうだ、変わらなきゃならない。
迷いを抱えたまま、躊躇っている今のままでは本当に叶えたい“奇跡”には届かない。
もう、賽は投げられたのだ。引き返すことはできない。
「何故ですか? 優しいクヲンさんはダメですか?」
「……あぁ」
そう、もう優しさなんてものを捨てなければ自分が保てない。さもないと、あの時、あの屋上で流した彼女の涙すら無駄になってしまうかもしれない。
紆余曲折はあったとはいえ、“ここまではクヲン自身の計画通り”なのである。
「クヲンさんならこれくらい大丈夫です。自分を信じてください」
「どういう理屈だよ、それは……」
相変わらず独特な世界観を持っているマリィに、クヲンは肩を落とす。それから溜息を一つ漏らすと、「変わらないな」と呟く。
「クヲンさんもですね」
そうマリィが返してきたことに、クヲンは驚いた。
「俺も?」
思わず聞き返すクヲンにマリィはにっこりと頷いた。
「私のせいで翼の色は変わっちゃいましたけど、クヲンさん自身は全然変わってませんよ」
「………」
マリィの言葉が重く、クヲンの胸に響いた。
だが、クヲンはそれを否定しなければならない。
「俺はな、変わらなきゃならないんだよ……」
嘆くように言い、悲しい瞳でマリィを見つめる。
そうだ、変わらなきゃならない。
迷いを抱えたまま、躊躇っている今のままでは本当に叶えたい“奇跡”には届かない。
もう、賽は投げられたのだ。引き返すことはできない。
「何故ですか? 優しいクヲンさんはダメですか?」
「……あぁ」
そう、もう優しさなんてものを捨てなければ自分が保てない。さもないと、あの時、あの屋上で流した彼女の涙すら無駄になってしまうかもしれない。
紆余曲折はあったとはいえ、“ここまではクヲン自身の計画通り”なのである。



