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黒き翼を持った天使が死神にも似た鎌を持って空兎に襲い掛かる。
身の毛のよだつその光景を目の当たりにして、本来怖気づくはずの仙太だったが、何故かその前に体が自然と動いていた。
クヲンが大鎌を横薙ぎに振るったその瞬間、仙太は空兎を押し倒していた。
間一髪!
大鎌は二人の上の空を切った。
「やるじゃないか」
素直に漏れるクヲンの声は冷たいものだった。それに仙太は本気を感じ、自分の行動に戦慄する。
「だがよ……」
次の瞬間、クヲンは大鎌を横から縦に振りかぶる。倒れているこの状態ではその攻撃を避けることは難しい。
仙太はきつく目を閉じて空兎に覆い被さった。
それは頭で考えたことではない。感情で動いた行動だった。
白銀の刃が仙太の背を切り裂く―――かに思われたその時―――
ガキン!!
金属同士の激しい激突音が耳をつんざく。
恐る恐る、仙太が目を開くと、目の前に漆黒の刃がクヲンの白銀の刃を止めているのが見えた。
ゆっくりとその漆黒の刃の持ち主に視線をスライドさせていく。
マリィが立っていた。
黒き翼を持った天使が死神にも似た鎌を持って空兎に襲い掛かる。
身の毛のよだつその光景を目の当たりにして、本来怖気づくはずの仙太だったが、何故かその前に体が自然と動いていた。
クヲンが大鎌を横薙ぎに振るったその瞬間、仙太は空兎を押し倒していた。
間一髪!
大鎌は二人の上の空を切った。
「やるじゃないか」
素直に漏れるクヲンの声は冷たいものだった。それに仙太は本気を感じ、自分の行動に戦慄する。
「だがよ……」
次の瞬間、クヲンは大鎌を横から縦に振りかぶる。倒れているこの状態ではその攻撃を避けることは難しい。
仙太はきつく目を閉じて空兎に覆い被さった。
それは頭で考えたことではない。感情で動いた行動だった。
白銀の刃が仙太の背を切り裂く―――かに思われたその時―――
ガキン!!
金属同士の激しい激突音が耳をつんざく。
恐る恐る、仙太が目を開くと、目の前に漆黒の刃がクヲンの白銀の刃を止めているのが見えた。
ゆっくりとその漆黒の刃の持ち主に視線をスライドさせていく。
マリィが立っていた。



