青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

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 黒き翼を持った天使が死神にも似た鎌を持って空兎に襲い掛かる。

 身の毛のよだつその光景を目の当たりにして、本来怖気づくはずの仙太だったが、何故かその前に体が自然と動いていた。

 クヲンが大鎌を横薙ぎに振るったその瞬間、仙太は空兎を押し倒していた。


 間一髪!


 大鎌は二人の上の空を切った。

「やるじゃないか」

 素直に漏れるクヲンの声は冷たいものだった。それに仙太は本気を感じ、自分の行動に戦慄する。

「だがよ……」

 次の瞬間、クヲンは大鎌を横から縦に振りかぶる。倒れているこの状態ではその攻撃を避けることは難しい。

 仙太はきつく目を閉じて空兎に覆い被さった。

それは頭で考えたことではない。感情で動いた行動だった。

 白銀の刃が仙太の背を切り裂く―――かに思われたその時―――


 ガキン!!


 金属同士の激しい激突音が耳をつんざく。

 恐る恐る、仙太が目を開くと、目の前に漆黒の刃がクヲンの白銀の刃を止めているのが見えた。

 ゆっくりとその漆黒の刃の持ち主に視線をスライドさせていく。


 マリィが立っていた。