青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

「離しやがれぇっ!!」

 激昂と共に痙攣を止めた灰山がジョーの施しを振り払う。

 血走った目、荒い呼吸。

 ジョーの強烈な一撃を受けてもなお、灰山の殺意は衰えることはなく、むしろ高まっていっていた。

 それを真っ直ぐ見据えるジョーの表情が曇る。

 そんな時、突如、プロペラ音が聞こえてきた。

 ジョーが空を見上げると、ヘリコプターが一機、その場に飛来してきた。軍用だろうか、その先端には黒光りするものが確認できた。

 ガトリング砲だ。

「そこまでやりますか……」

 苦笑いを一つした後、すぐに横っ飛びに身を転がすジョー。

 直後、


 ダダダダダダダダダダッ!!


 耳をつんざく轟音と共にヘリのガトリング砲が火を吹いた。

 六個の薬室が回転し、毎秒何十発もの弾丸が先ほどまでジョーが立っていた大地を抉っていく。

「……悪いな、手段は選べないんだよ」

 思わぬ援軍に好機と見たか、轟音が響き渡る中、灰山は呟いてその場からよろよろと立ち去っていく。それに気づいたジョーだが執拗に襲い掛かる弾丸の嵐から己の身を守ることで精一杯だ。

 追いかけることはできない。

(これは、ちょっとまずいですね……)