バスで駅まで行く。
日曜日の昼過ぎは人が少ないのだろうか、ガラガラだった。
一番後ろの席に仙太と空兎は座る。
会話は───ない。
何か話さなきゃとは思っても、お互い何だか気恥ずかしくて口が開けない。
従兄弟同士と言われも、初めて出会った年頃の男女だ。
住んでる場所も、学校も、当たり前だが性別も違う。
何を話していいかわからないのだ。
二人とも性格的でいえば比較的、内向的にあたる部類だが、根暗というわけではない。
きっかけがあれば話せるのだ。
何か一つ、きっかけが───
あれよあれよと、お互いがもたついている間にバスは、駅に到着してしまった。
二人は運賃を払い、無言のままバスを降りた。
…………………
……………
………
次に目覚め時、自分は寝かされているのだと、仙太はすぐに認識できた。
体の痛みは、先よりは幾分、治まっている。心配していた骨折はしていないようだ。動かそうと思えば動かせると、感覚でわかる。
ぼやけた目が見知らぬ灰色の天井を映しだした。
「ここ……は?」
「私の部屋です」
すぐ耳元で聞こえるおっとりとした声。声色のせいか、それで驚くことはなかったが、声の方向へと振り向いて、少女のドアップ顔を眼前に捉え、仙太は思わず飛び上がってしまった。
「うわわっっ!! あつっいたたた!!」
「まぁ、おもしろい鳴き声ですね? なんの動物の鳴き声なんですか?」
「いや、鳴き声って……はぁ」
「?」
起き上がった拍子に体中の痛みに悶える仙太を、少女───マリィは常識はずれの返しをしてきたために、仙太は、突っ込みどころに困ってしまった。
先のボケはとりあえず置いて、仙太は気を取り直して、飛び上がった弾みで起きた自らの上半身を確認する。
包帯や湿布、絆創膏など、あちこち巻かれたり、貼られたりして手当てされていた。
掛けられている布団を捲って───仙太は赤面する。
日曜日の昼過ぎは人が少ないのだろうか、ガラガラだった。
一番後ろの席に仙太と空兎は座る。
会話は───ない。
何か話さなきゃとは思っても、お互い何だか気恥ずかしくて口が開けない。
従兄弟同士と言われも、初めて出会った年頃の男女だ。
住んでる場所も、学校も、当たり前だが性別も違う。
何を話していいかわからないのだ。
二人とも性格的でいえば比較的、内向的にあたる部類だが、根暗というわけではない。
きっかけがあれば話せるのだ。
何か一つ、きっかけが───
あれよあれよと、お互いがもたついている間にバスは、駅に到着してしまった。
二人は運賃を払い、無言のままバスを降りた。
…………………
……………
………
次に目覚め時、自分は寝かされているのだと、仙太はすぐに認識できた。
体の痛みは、先よりは幾分、治まっている。心配していた骨折はしていないようだ。動かそうと思えば動かせると、感覚でわかる。
ぼやけた目が見知らぬ灰色の天井を映しだした。
「ここ……は?」
「私の部屋です」
すぐ耳元で聞こえるおっとりとした声。声色のせいか、それで驚くことはなかったが、声の方向へと振り向いて、少女のドアップ顔を眼前に捉え、仙太は思わず飛び上がってしまった。
「うわわっっ!! あつっいたたた!!」
「まぁ、おもしろい鳴き声ですね? なんの動物の鳴き声なんですか?」
「いや、鳴き声って……はぁ」
「?」
起き上がった拍子に体中の痛みに悶える仙太を、少女───マリィは常識はずれの返しをしてきたために、仙太は、突っ込みどころに困ってしまった。
先のボケはとりあえず置いて、仙太は気を取り直して、飛び上がった弾みで起きた自らの上半身を確認する。
包帯や湿布、絆創膏など、あちこち巻かれたり、貼られたりして手当てされていた。
掛けられている布団を捲って───仙太は赤面する。



