青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

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「は、初めまして……あ、あ、天羽……く、空兎です」

 父親の陰に隠れながらその少女は、顔を赤らめながらぎこちなく自己紹介した。くりっとした大きめの瞳が印象的で、綺麗な栗色の髪……しかし、残念なことにその髪はまばらな長さで、不揃いなカットなため、彼女の魅力を半減させているように見える。

「空兎ちゃん、どうしたの?その髪?」

 沙恵美が尋ねると、恥ずかしがりの空兎は父親の陰に引っ込んでしまう。

 代わりに応えた父親によると、イメチェンのためにロングヘアーからショートヘアーにしようと自分で切ってみたはいいが、失敗したようだ。

 美容院に行こうにも、部活に行っているらしく、中々時間がとれないらしい。

「じゃあ、これから行ってきたらどうかしら? 仙ちゃん、空兎ちゃんを連れていってあげて」

「え?………僕が?」

 突然のことに戸惑う仙太。父親の陰から顔を覗かせいる空兎と目が合い、お互い、困り顔になる。

「いや、でも、僕、普段は散髪屋で、美容院は行ったことは……」

「かーさんが行き付けの所があるわ。電車で三駅くらいかな? ちょっとした冒険ね」

 仙太の気も知らないで、楽しそうに沙恵美は、行き付けの美容院の場所を教えていく。

 仙太は、それを必死にメモにとって、覚えていくのだった。


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