いや、仙太の場合、曖昧だった疑問が確信に変わったと言うべきか……
数日間、クヲンと行動を共にして、不思議な点を色々発見した。
クヲンは、何時如何なる時も決して、マイナスになることを言わないのだ。
成果がない日の時も、「明日は大丈夫だろ!」などと言い、空兎や仙太を元気付ける。
箒を見つけた時には「多分、これって、魔法使いさんのじゃね?」と言って、何故、箒が学校の裏山の木の枝に引っ掛かっていたのかという疑問は曖昧にすませていた。
ふいに仙太の目が空兎の肩に乗っているキィに留まる。今の空兎と同じ、どこか悲しそうな表情だ。
(………なんだ、これ……もう少しで何か……)
重要なポイントが見えそうで、見えてこなというもどかしい気分。けど、少し嫌な予感がするこの気持ち………
その時、空兎が、仙太に振り向いた。
「誰!?」
怒鳴った空兎は、直後に駆け出した。その声に驚き、戸惑った仙太だが、空兎は仙太の横を素早く抜けていき、屋上の出入り口を潜って、廊下を駆けていった。
「待たんかぁぁぁぁい、こんにゃろーーーっ!!」
突如として、怪しい視線を背中に感じた空兎は、その犯人を追いかけた。
すれ違う人を巧みにかわしていき、廊下を走り、階段へと差し掛かる。そこで犯人らしき人の背中が階段を降りた所の曲がり角で走り去る姿が空兎の視界に入った
「逃・が・さ・ん!」
脳内にアドレナリンが蔓延した空兎には、そこがニ十段以上ある階段とは気付かなかった。
軽く助走をつけた後、思いっきりジャンプ。
しかし、跳んだ直後に空兎の僅かな冷静な心の部分が思った。
(ヤバッ!)
時すでに遅し。
目の前の光景が暗転し、意識がブツリと途切れた。
………
……………
…………………
数日間、クヲンと行動を共にして、不思議な点を色々発見した。
クヲンは、何時如何なる時も決して、マイナスになることを言わないのだ。
成果がない日の時も、「明日は大丈夫だろ!」などと言い、空兎や仙太を元気付ける。
箒を見つけた時には「多分、これって、魔法使いさんのじゃね?」と言って、何故、箒が学校の裏山の木の枝に引っ掛かっていたのかという疑問は曖昧にすませていた。
ふいに仙太の目が空兎の肩に乗っているキィに留まる。今の空兎と同じ、どこか悲しそうな表情だ。
(………なんだ、これ……もう少しで何か……)
重要なポイントが見えそうで、見えてこなというもどかしい気分。けど、少し嫌な予感がするこの気持ち………
その時、空兎が、仙太に振り向いた。
「誰!?」
怒鳴った空兎は、直後に駆け出した。その声に驚き、戸惑った仙太だが、空兎は仙太の横を素早く抜けていき、屋上の出入り口を潜って、廊下を駆けていった。
「待たんかぁぁぁぁい、こんにゃろーーーっ!!」
突如として、怪しい視線を背中に感じた空兎は、その犯人を追いかけた。
すれ違う人を巧みにかわしていき、廊下を走り、階段へと差し掛かる。そこで犯人らしき人の背中が階段を降りた所の曲がり角で走り去る姿が空兎の視界に入った
「逃・が・さ・ん!」
脳内にアドレナリンが蔓延した空兎には、そこがニ十段以上ある階段とは気付かなかった。
軽く助走をつけた後、思いっきりジャンプ。
しかし、跳んだ直後に空兎の僅かな冷静な心の部分が思った。
(ヤバッ!)
時すでに遅し。
目の前の光景が暗転し、意識がブツリと途切れた。
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