青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

 昼休みは作戦会議。放課後は街中を散策。その後は、空兎と仙太の身の安全を考え、クヲンのマンションへと帰宅。

 その繰り返しが数日程続いた。仙太の携帯電話には、出張中の沙恵美から毎日、朝一番でメールで連絡が入っていた。どうやらまだ帰れないようだ。


 そして昼休み、屋上で三人は昼食を摂りながら、すっかり恒例となった作戦会議をしていた。

 この数日の成果といえば、セレビアのものと思われる箒のみだった。

「でも、ホーキなんて、どこにでもあるよね〜」

 行儀悪くイチゴミルクのパックからストローを抜いて、それを口にくわえながら上下に揺らす空兎。

 思わず弱音を吐いた彼女に、クヲンがデコピンをする。

「おーい、何、らしくないこと言ってんだよ。あの時も言ったろうが、前向きに考えろって!」

「だってぇぇ〜〜〜」

 眉根を寄せ、口を尖らせて拗ねてみせる空兎。無理もない。彼女の場合は初日から毎日、ジョーとセレビアの携帯に電話とメールまでしているのに、返答がまるでないのだ。

 そのことをクヲンに話すと、諭すような口調で言う。

「魔法使いさんやヒーローさんも今、電源が入ってないか、電波が繋がらない状態なんだろ? いちいちマイナス方向に考えるなって!」

「でも………ジョーさん、最近、バイト先、来てないって……」

 先日、ジョーのアルバイト先であるファミレスを訪ねたが、ジョーは来てないとのことだ。事情は、店の人も知らないらしい。

「多分、ヒーローだから秘密裏に動いてるんじゃないか? 事情もなしに、あの真面目なヒーローさんがサボると思うか?」

「………思わない」

 納得できるようで、できない。それが今の空兎の正直な気持ちだった。

 クヲンの言い分はわかるが、素直に「うん」と頷けないのだ。

 そして、それは仙太も同じだった。