蛇口から流れ落ちる水の音に混じって、クヲンの静かな囁きにも似た声が、仙太の耳に届いた。
「羨ましいな、せっち」
「え?」
何故か既視感を覚えながら、クヲンからそむけた顔を戻す。クヲンは、流し台に視線を落としたまま皿を洗っていた。
「あんなコ、そうそういるもんじゃないぜ」
「確かに……あんな無茶苦茶な性格は珍しいと思うけどさ……なんで羨ましいのさ?」
仙太の質問が可笑しかったのか、クヲンは突然笑いだした。
「ククククッ、やっぱおもしれ! 空兎もせっちも! やべぇ……ちぇ、なんか悔しいな……」
「? どういうこと?」
「教えてやんね!」
イタズラ好きなクヲンの顔が表立った。
それから、しばらく二人は黙々と皿洗いを続けていく。
ふと、仙太が先ほどの既視感の正体を思い出す。
「……さっきの言葉、緋上さんにも同じこと言われた」
「ん?」
「僕のこと『羨ましい』っての……」
「あぁ……」
それからまた沈黙訪れる。
「っで、キスしたの?」
つるん………パリン!
今度はキャッチに失敗した皿は、無惨に砕け散った。
「……ごめん」
「ドンマイ、せっち」
「羨ましいな、せっち」
「え?」
何故か既視感を覚えながら、クヲンからそむけた顔を戻す。クヲンは、流し台に視線を落としたまま皿を洗っていた。
「あんなコ、そうそういるもんじゃないぜ」
「確かに……あんな無茶苦茶な性格は珍しいと思うけどさ……なんで羨ましいのさ?」
仙太の質問が可笑しかったのか、クヲンは突然笑いだした。
「ククククッ、やっぱおもしれ! 空兎もせっちも! やべぇ……ちぇ、なんか悔しいな……」
「? どういうこと?」
「教えてやんね!」
イタズラ好きなクヲンの顔が表立った。
それから、しばらく二人は黙々と皿洗いを続けていく。
ふと、仙太が先ほどの既視感の正体を思い出す。
「……さっきの言葉、緋上さんにも同じこと言われた」
「ん?」
「僕のこと『羨ましい』っての……」
「あぁ……」
それからまた沈黙訪れる。
「っで、キスしたの?」
つるん………パリン!
今度はキャッチに失敗した皿は、無惨に砕け散った。
「……ごめん」
「ドンマイ、せっち」



