(でも、ま、悪い気はしないよな)
そう思いながらマリィについて行くと、商店街の中央に構えている露店に目が留まった。
ズラリと並ぶ銀色のアクセサリーを見てそこがアクセサリーショップだと一目でわかった。
「おい、待てよ」
クヲンはマリィを呼び止めると、そのアクセサリーショップへと駆け寄った。
呼び止められたマリィは電池の切れた人形ように動かず、クヲンの方を向いてパチパチと瞬きだけをして待っている。
そんなマリィの様子をクヲンは目の端で気にしつつ、数ある中から一つを選んで、精算をしてからマリィの元へと駆け寄った。
「ほら、ちょっと早いけどクリスマスプレゼントってやつだ」
クヲンの右手に握られているそれに、マリィの視線が動く。
ゆっくりと広げるとそれは銀色の十字架のネックレスだった。
「誰にプレゼントするんですか?」
「お前に」
言うや否や、クヲンはマリィの首にネックレスをつけた。
胸の中央に銀色の十字架が降りる。
それをクヲンは、満足そうに見つめた。
「ま、所詮は俺の自己満だからな捨てたきゃ捨てて………え?」
クヲンは、突然ポロポロと涙を流し始めたマリィに気付いた。
「な、泣くなよ! つーか泣くほど気に入らないのか!?」
オロオロとクヲンは狼狽する一方で、マリィは首がとれんばかり勢いで横に振って否定した。
涙を手の甲でしきりに拭いた後、精一杯の笑顔をクヲンに見せると、
「ありがとうございます……大切にします」
まだ潤んだ瞳で礼を言った。
彼女の胸元で十字架がキラリと光ったのはほぼそれと同時だった。
クヲンは、急に照れ臭くなり顔を背けた。
その時だ。
「ん?」
気のせいか、物陰で誰が動いた気がした。
確かめに行きたかったが、すぐに他の物に目移りして何処かに行ってしまうマリィから目が離せなかった。
§
寒さが増し、雪がまた少し強く降りだしてきた頃、クヲンとマリィは公園のベンチで休憩中だった。
時刻は午後4時丁度。
「そろそろ行くか……」
ベンチから立ち、クヲンは軽く伸びをする。
「どこへ行くんですか?」
「……お前と話してると時々ワザとじゃないかと思うぜ」
そう思いながらマリィについて行くと、商店街の中央に構えている露店に目が留まった。
ズラリと並ぶ銀色のアクセサリーを見てそこがアクセサリーショップだと一目でわかった。
「おい、待てよ」
クヲンはマリィを呼び止めると、そのアクセサリーショップへと駆け寄った。
呼び止められたマリィは電池の切れた人形ように動かず、クヲンの方を向いてパチパチと瞬きだけをして待っている。
そんなマリィの様子をクヲンは目の端で気にしつつ、数ある中から一つを選んで、精算をしてからマリィの元へと駆け寄った。
「ほら、ちょっと早いけどクリスマスプレゼントってやつだ」
クヲンの右手に握られているそれに、マリィの視線が動く。
ゆっくりと広げるとそれは銀色の十字架のネックレスだった。
「誰にプレゼントするんですか?」
「お前に」
言うや否や、クヲンはマリィの首にネックレスをつけた。
胸の中央に銀色の十字架が降りる。
それをクヲンは、満足そうに見つめた。
「ま、所詮は俺の自己満だからな捨てたきゃ捨てて………え?」
クヲンは、突然ポロポロと涙を流し始めたマリィに気付いた。
「な、泣くなよ! つーか泣くほど気に入らないのか!?」
オロオロとクヲンは狼狽する一方で、マリィは首がとれんばかり勢いで横に振って否定した。
涙を手の甲でしきりに拭いた後、精一杯の笑顔をクヲンに見せると、
「ありがとうございます……大切にします」
まだ潤んだ瞳で礼を言った。
彼女の胸元で十字架がキラリと光ったのはほぼそれと同時だった。
クヲンは、急に照れ臭くなり顔を背けた。
その時だ。
「ん?」
気のせいか、物陰で誰が動いた気がした。
確かめに行きたかったが、すぐに他の物に目移りして何処かに行ってしまうマリィから目が離せなかった。
§
寒さが増し、雪がまた少し強く降りだしてきた頃、クヲンとマリィは公園のベンチで休憩中だった。
時刻は午後4時丁度。
「そろそろ行くか……」
ベンチから立ち、クヲンは軽く伸びをする。
「どこへ行くんですか?」
「……お前と話してると時々ワザとじゃないかと思うぜ」



