セレビアとマレストは弟子と師匠。
魔法使いは10歳の誕生日を迎えれば弟子として、親許を離れて、師匠の元で基礎から魔法を教わることになる。
セレビアにとってその師匠は、このマレストなのだが、これが豪快な男だった。
例えば「火をつけろ」といえば、普通なら
−火よ、
大地に柱を立て!−
のはずなのだが、「バン!」の一言で済まそうとするのがマレスト流である。
雷魔法も同様、
−雷よ
天より煌めけ!−
のはずなのに、「ドキュン!」の一言で済ませようとする。
実際、魔法というのはイメージが最大規模で、呪文は補助的なものなので、やろうと思えば先程のマレストの呪文省略も可能だ。セレビアには、まだほとんどできないが。
「さて、飯にするか。おーい、セレビア、いつまで寝てるんだ?」
(・・・・・・ば、化け物?)
余裕のマレストに対して、死にかけで倒れているセレビア。
実力の差以前に、セレビアの魔法は一撃たりとも当たらず、マレストの魔法は全て直撃するという、まさに一方的な実戦訓練だった。
弟子入りしてから6年間。セレビア自身もかなりの腕を上げたと思っていたのに、この様だ。
「……本当に化け物かもね」
立ち上がりながら呟くと、「聞こえてるぞ」というマレストの声が飛んできて、セレビアの度肝を抜かせた。
苦しくも、それ以上に楽しい時間。
この時間は、卒業……いや
永遠に続くと、思っていた―――
この時の、セレビアは・・・・・・。
魔法使いは10歳の誕生日を迎えれば弟子として、親許を離れて、師匠の元で基礎から魔法を教わることになる。
セレビアにとってその師匠は、このマレストなのだが、これが豪快な男だった。
例えば「火をつけろ」といえば、普通なら
−火よ、
大地に柱を立て!−
のはずなのだが、「バン!」の一言で済まそうとするのがマレスト流である。
雷魔法も同様、
−雷よ
天より煌めけ!−
のはずなのに、「ドキュン!」の一言で済ませようとする。
実際、魔法というのはイメージが最大規模で、呪文は補助的なものなので、やろうと思えば先程のマレストの呪文省略も可能だ。セレビアには、まだほとんどできないが。
「さて、飯にするか。おーい、セレビア、いつまで寝てるんだ?」
(・・・・・・ば、化け物?)
余裕のマレストに対して、死にかけで倒れているセレビア。
実力の差以前に、セレビアの魔法は一撃たりとも当たらず、マレストの魔法は全て直撃するという、まさに一方的な実戦訓練だった。
弟子入りしてから6年間。セレビア自身もかなりの腕を上げたと思っていたのに、この様だ。
「……本当に化け物かもね」
立ち上がりながら呟くと、「聞こえてるぞ」というマレストの声が飛んできて、セレビアの度肝を抜かせた。
苦しくも、それ以上に楽しい時間。
この時間は、卒業……いや
永遠に続くと、思っていた―――
この時の、セレビアは・・・・・・。



