§
時は遡ること12年前のフランス、秋。
ここに人里離れて過ごしている“魔法使いの森”があった。
魔女裁判を経て掴んだ平和……いや、正確には離れて過ごしているのだから平和には程遠いかもしれないが、当時のセレビアには関係なかった。
「あ~~気持ちいい!」
今年で16歳になったばかりのセレビアは今、森林浴の真っ最中。当時は、まだ眼鏡を掛けておらず、髪も伸ばすことを嫌って肩のラインで切り揃えていた。
森のそよ風が大好きで、魔法の修行の合間にはいつもこうして仰向けに寝転がりたい気分に駆られていた。
「はぁ〜」
もう一度深く深呼吸。酸素が吸い込まれ、二酸化炭素が排出されるのが全身で感じられる。実に心地いいその気分を、突如としてぶち壊す声が響いてきた。
「セレビアーっ! どこだぁぁ! ここにいることはわかってるんだ、バカ野郎がぁぁ!!」
マレスト=K=シャンクス。
毛先がツンツンと尖った長髪の藍色の髪をした二十六の男の声だ。
セレビアはその声に「えっ!?」と思うよりも早く、「そこか!」というマレストのギラリと光るナイフのような鋭い獲物で突き刺した。マレスト得意の氷魔法だ。
「ば、バン!」
一か八か、反撃を試みるセレビア。人差し指で銃の形を作って炎の呪文。
氷の魔法はセレビアの目の前で蒸発した。
煙の向こうからマレストの憎たらしいまでの声が響いてくる。
「バカが! 敵がこうして来たら……」
シュッと氷で創ったナイフでセレビアの首筋に迫る。
「どうする気だ?」
チェックメイトだぜ、といわんばかりにセレビアの背筋凍りつかせる。
だが、それも数秒のこと、マレストは自ら創った氷のナイフをまるで何事もなかったかのように消しさった。
「きゅ、休憩って言ったのはそっちじゃない! まだ、一分くらいしか経ってないじゃない!」
「あぁ……。一分だけな!」
強きに返してきたセレビアに、ニヤリと笑うマレスト。
それが、生意気ととられたのだろう。
セレビアが拒否するにも関わらず、マレストは容赦なく魔法で容赦なく攻め立てる。
この時のセレビアも理不尽に感じながらも、どこか楽しそうではあった。
時は遡ること12年前のフランス、秋。
ここに人里離れて過ごしている“魔法使いの森”があった。
魔女裁判を経て掴んだ平和……いや、正確には離れて過ごしているのだから平和には程遠いかもしれないが、当時のセレビアには関係なかった。
「あ~~気持ちいい!」
今年で16歳になったばかりのセレビアは今、森林浴の真っ最中。当時は、まだ眼鏡を掛けておらず、髪も伸ばすことを嫌って肩のラインで切り揃えていた。
森のそよ風が大好きで、魔法の修行の合間にはいつもこうして仰向けに寝転がりたい気分に駆られていた。
「はぁ〜」
もう一度深く深呼吸。酸素が吸い込まれ、二酸化炭素が排出されるのが全身で感じられる。実に心地いいその気分を、突如としてぶち壊す声が響いてきた。
「セレビアーっ! どこだぁぁ! ここにいることはわかってるんだ、バカ野郎がぁぁ!!」
マレスト=K=シャンクス。
毛先がツンツンと尖った長髪の藍色の髪をした二十六の男の声だ。
セレビアはその声に「えっ!?」と思うよりも早く、「そこか!」というマレストのギラリと光るナイフのような鋭い獲物で突き刺した。マレスト得意の氷魔法だ。
「ば、バン!」
一か八か、反撃を試みるセレビア。人差し指で銃の形を作って炎の呪文。
氷の魔法はセレビアの目の前で蒸発した。
煙の向こうからマレストの憎たらしいまでの声が響いてくる。
「バカが! 敵がこうして来たら……」
シュッと氷で創ったナイフでセレビアの首筋に迫る。
「どうする気だ?」
チェックメイトだぜ、といわんばかりにセレビアの背筋凍りつかせる。
だが、それも数秒のこと、マレストは自ら創った氷のナイフをまるで何事もなかったかのように消しさった。
「きゅ、休憩って言ったのはそっちじゃない! まだ、一分くらいしか経ってないじゃない!」
「あぁ……。一分だけな!」
強きに返してきたセレビアに、ニヤリと笑うマレスト。
それが、生意気ととられたのだろう。
セレビアが拒否するにも関わらず、マレストは容赦なく魔法で容赦なく攻め立てる。
この時のセレビアも理不尽に感じながらも、どこか楽しそうではあった。



