背中をトントンと落ち着かせるように叩いた。

女は俺から離れ震える声で言った。

「・・・も・・う大丈夫です・・・」

そう言い、女は顔を上げた。その顔は、天宮さんだった。俺は、怒りがこみ上げ周りを見渡すと、男達はいなかった。

「天宮・・・・さ・・ん??」

「ほ・っ・ん・と・・にた・・っすけてくれて・あり・・っ・・がとうございました」

泣きながら言った。だいぶ落ち着いてきたみたいだった

「本当に大丈夫か??」

「大丈夫です」

そう言い、天宮さんは涙を拭い無理して笑った。

「送るから、俺と帰ろう??」

「迷惑かけたうえ送ってもらうなんて・・・。」

「大丈夫だから。バイクなんだけど大丈夫??」

「大丈夫です。」

「じゃあ帰ろっか??」

「うん」

俺は、エンジンをかけヘルメットを被りバイクにまたがった。天宮さんもまたがった。けど、天宮さんのヘルメットがないことを思い出し、俺は天宮さんにヘルメットを被せてやった。

「じゃあ俺の腰に掴まっててくれな。」

「うん」

そう言い、天宮さんは軽く俺の腰に手をまわした。けど、俺は強く掴まらせた。

「じゃあ行くよ」

「うん」

いつもはもっとスピードを出すけど、今日は後ろに天宮さんが乗っているので遅く走った。

ちょっと走ったところで天宮さんを襲った3人の男を見つけたので、エンジンを止めバイクから降り、俺は3人の男に向かって走った。