~龍サイド~

俺と海は涼介さんに言われた通り玄関前に出てきた。

「海、良かったな」

「龍のおかげだよん。龍が言ってくれたから諦めたくなく、もう一回やってみたいなって思ってたんだ。ありがとう。」

「あっ涼介さんが来た」

黒いワゴン車が見えた。そして車窓から、

「龍、気をつけろよな。」

「大丈夫です。」

「じゃあ、海乗れよな」

「はいはい。龍~気をつけてね~」

そう言い、黒いワゴン車は発車した。
海も去ったことで、俺もスタジオに置きっぱなしのバイクをとりに行った。

俺は、中3の頃からバイクに憧れ、お袋と親父に頼んでバイクの練習を庭で行った。もちろん、バイクの先生に指導してもらい、16歳の3月くらいから練習した。
本当は、16歳の誕生日が終え、次の日くらいからバイクの指導をしてもらおうとしたら、社長に反対されたので・・・。見事17歳の誕生日に免許がとれた。ちなみに俺の誕生日は4月4日。凄くね??
バイクはほとんどスタジオか事務所に置きっぱなしにしてある。なぜなら、もう1台持ってからよ。

「じゃあ行くかー」

ヘルメットをつけ、バイクにまたがった。

いつものルートを通って帰っていると、公園から女の叫び声が聞こえたような感じがし公園に戻り、バイクのエンジンを切り耳を済ませた。ヘルメットを外しカバンにあった眼鏡をつけ、キャップを被った。

『嫌ぁぁぁぁぁぁ』

やっぱり聞こえた・・・。探すのに手間はかからなかった。3人の男と女がいた。男が女の上に馬乗りになり制服のボタンを外しているところだった。後の2人はニヤニヤしながら女と男を見ていた。女の顔は男が邪魔で見えなかった。俺は、馬乗りになった男の頬を殴った。すると男は尻餅ついた。別の男が口を開いた。

「お~い俺達、今お取り込み中なんですけど~」

そう言い、俺に殴りかかろうとしたが、俺はすばやく男の拳を掴み、腹を殴った。もう一人の男は後ろからかかってきたので、回し蹴りをした。2人はよろけていた。

俺は、女のところへ行きしゃがんだ。女は、震え泣いていたので抱きしめてやった。もう、男達が逃げたので帽子とキャップを外した。

「もう大丈夫だ。」

「ふっ・・・ぇ~ん。怖かったよぉ~。」